最近、HSKに関する情報など特に留意してなかったのですが、何か新しいHSKが始まるとか、実はHSKが2種類あるとか様々な情報が飛び交っているようだったので、自分なりに調査してみました。
まず、HSK(漢語水平考試)は中国政府が実施しているとの認識でした。ところが最近、北京語言大学実施のものと、対外なんちゃらという機関の実施のものとに分かれているという情報が流れてきています。じゃあ私の取ったHSK証書はどこが発行しているのかと見てみたら、国家漢語水平考試委員会が発行しているということが分かりました。
三つも別々の機関の名前が出てきて何がなんだか分からなくなってきたので、まずは中国の国家規定からあたってみました。
中国国家教育委員会令第21号「中国汉语水平考试(HSK)办法」第九条
国家教育委员会设立汉语水平考试委员会,称国家汉语水平考试委员会,国家汉语水平考试委员会全权领导汉语水平考试,并颁发《汉语水平证书》。由国家对外汉语教学领导小组办公室和北京语言学院负责实施汉语水平考试(HSK)的考务工作。
http://www.moe.gov.cn/edoas/website18/level3.jsp?tablename=1306&infoid=1352
つまり国家漢語水平考試委員会(以下水平委員会)というのがHSKについての指導権限をもち、証書を発行することができる、国家对外汉语教学领导小组办公室(以下Hanban)と北京語言大学(以下語言)がHSKを実施できると国の規定で決まっている。
水平委員会人員名簿
http://www.moe.gov.cn/edoas/website18/level3.jsp?tablename=1306&infoid=12250
水平委員会の名簿を見ると、Hanbanからも語言からも人員が選ばれていることが分かる。ただ、副主任にHanbanの主任が就いている、委員に語言の学長が就いているということから見て、おそらくHanbanのほうが少し偉いかもしれない。
Hanbanのホームページ:
http://www.hanban.org.cn/cn_hanban/
語言HSK中心のホームページ:
http://www.hsk.org.cn/
それぞれのホームページから分かることは、実施する試験が各々異なるということです。
Hanban実施の試験
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HSK
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BCT(ビジネス中国語)
・
YCT(初学者レベル)
語言HSK中心実施の試験
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改进版HSK
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C-TEST(ビジネス中国語)
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入门级HSK(初学者レベル)
どちらも似たような分類となっています。Hanbanは従来どおり、語言は改良した新形式の試験であるようです。
Hanbanの言い分(2007/7/3)
http://www.hanban.org/cn_hanban/content.php?id=2526
語言HSK中心の言い分(2007/10/17)
http://www.hsk.org.cn/News/News20071017_C.html
どうも従来の試験をそのまま実施していこうとするHanban側と新しい試験に変えていこうとする語言側とで衝突が発生しているものと思われます。また困ったことに、どちらも中国教育部直属の機関なので(正確にいうと語言は教育部直属の高等学校)、「どちらかが国の機関でないから独自の試験は無効だ」とは言えない状況に陥ってしまっています。
これはただの想像ですが、Hanbanと語言の間で激しい権力闘争が繰り広げられているのではないでしょうか。試験といっても大きな金が動くので、既得権益にぶら下がりたい人なんかは新しい改革なぞ邪魔モノでしかないと思います。Hanbanの言い分にもあるとおり、「近頃社会に出現した改進版漢語水平考試、入門級漢語水平考試、実用漢語水平考試(C-TEST)はHanbanの批准を経ておらず…」と、明らかに語言の試験と分かるのに敢えて語言の名は出さず「近頃社会に…」などと言っているあたり、戦闘ムードが感じられます。
国の規定では、Hanbanも語言もHSKを実施してよいことになっており、どちらも自分たちが正統派であると主張し始めたらキリがないように思います。受験者側としては、一刻も早い統一を望むのは当然のことであります。個人的には、もともとHSKを作ったのは語言であり、また発展させようとしているのも語言であることから、
改进版HSKのほうが後々のスタンダードになりうるのではと見ています。
いろいろ探してみましたが、今、水平委員会がどうなっているのかよく分かりませんでした。証書を発行できるのは水平委員会であり、Hanbanと語言をまとめるのも水平委員会ですので、今後の状況も水平委員会次第ではないかと思っております。
どちらが優勢になるかは、教育部Hanbanの
主流派(BCT,YCTも支える北京大学を始め清華大、対外経済貿易大、上海財経大等の多大学が関係)であり、一大学に過ぎない語言大ではないと見られます。多くの中国大学教授が、Hanbanが海外の試験の実権をもつと話しています。
世界的な試験を実施している標準テストは、HSKに続きBCT、YCTとなっていくものと教育部のHPなどで推察できます。
BCTは、中国政府が外国人に対して、標準的なビジネスの知識と語学力をためすものであり、おそらく、中国はビジネスパートナーの進出外国企業スタッフにBCT受験を半ば強制してくるのは、予想できる。中国進出企業は、BCTを研究してスタッフに受験をさせるとプラスだろう。しょせん、日本の資産は、人財だから。人材を人財に磨くには、子供・青少年を通じて、YCT⇒HSK⇒BCTという階段を継続的に登るのがいいかも。